スカンセンの一年

北の国スウェーデンにとって春は何よりも待ち遠しい季節。長い冬の間、雪に閉ざされ眠りについていた全てのものが一気に目覚める時です。思いがけない4月の雪からクロッカスやスノードロップが顔を出し、うららかな陽光に屋根の雪が溶けだすと、ようやく渡り鳥たちがやってきます。

スカンセンの春は「イースター(復活祭)」と「ヴァルボリ(ヴァルプルギスの夜)」という二つの祭りで始まります。復活祭の週には、鮮やかな模様が描かれた卵、色とりどりの羽根を飾った枝、マジパンやいろいろなお菓子を売る市場が開かれます。

ヴァルボリはスウェーデンに春の訪れを告げる祭りです。冬の間たまった枯れ木を集め大きなかがり火を焚き、緑の芽吹きを誘うのです。スカンセンでも庭や畑の手入れが始まります。週末には建物の修繕、手仕事、ガーデニングなどテーマごとの催しが開催されるようになります。動物園の熊もようやく冬眠から目覚め、園内の草原は生まれたばかりの子ヤギや子羊で一杯になります。

ヴァルボリ(ヴァルプルギスの夜)では、学生たちが春の歌を歌い、夜を迎えると春を祝う演説が行われた後、大きなかがり火に火を灯すのが伝統です。

待ちに待った夏

6月6日はスウェーデンの建国記念日。スカンセンの創始者であるアルトゥール・ハゼリウスは、この日を1523年に王位に就いたグスタフ・ヴァーサを称える日としました。2005年から、この日は正式な国民の祝日となり、ソリデン野外音楽堂では国王ご一家をお招きし盛大な祝賀イベントが行われます。

6月はスウェーデンの結婚シーズン。ウイットサンデー(聖霊降臨祭)の週末には多くのカップルがセグローラ教会で結婚式を挙げます。

夏のハイライトは何といっても夏至祭といえるでしょう。夏至祭の週、モーラ農園では歌や音楽を奏でながら家畜を森の放牧地に移動します。

夏至祭の週末は、スカンセン民族舞踊クラブのメンバーがメイポールという草花で美しく飾られた柱を立て、その周りで輪になりフォークダンスを踊ります。夏至祭をもって夏の到来となり、ソリデン野外音楽堂では、テレビ番組スカンセンアルソングや、月曜日のジャズ、子供のためのアルソングなど様々なコンサートが夏の間ずっと目白押しとなります。

収穫の秋

スカンセンでは8月から収穫が始まります。ヘルシングランド地方では亜麻を育て織ることが伝統的に大切な収入源でした。デルスボ農園では8月の末から「亜麻と羊毛」というテーマで実演が行われ、亜麻の繊維から美しい布が作られる様子を見ることができます。

日はだんだん短くなり、木々の葉も黄色く色づきはじめます。空気も夏の緑ががかった靄から、きりりとした爽やかさを帯びてきます。9月の最終週には中世から続く伝統的な秋の市が開かれます。1900年初頭のスウェーデンの田舎町が再現され、貴婦人、巡査、農婦、小作人、宿屋の主人などに扮した人々に出会うことができます。中には自ら当時の衣裳に身を包みスカンセンを訪れる人もいます。市では買い物をしたり、食べたりして楽しめます。

この他、9月・10月の週末にはパン焼き実演、ジャガイモ・根菜・りんごの収穫、釣りや狩りなど、季節にちなんだ様々なイベントが企画されます。

スウェーデンの学校は10月末に秋休みになります。日が短くなり夜の闇が深まるこの季節は、休暇中の子供たちに民間伝承や魔法の世界を楽しんでもらうのにうってつけです。街角には幽霊が現れ、セグローラ教会裏の池では川や流れに住むネッケンという妖精が音楽を奏でます。スカンセンは幻想的な雰囲気に包まれます。

真冬の祭り

スカンセンの冬は、ルシア際、クリスマス、新年の花火とクリスマスシーズンの終わりを告げるイベントが続いて催されます。クリスマス市場はアドベンド(キリスト降臨節)の第一週から第四週までの毎週末に開催され、クリスマスの食べ物、パン、ブッレ(丸パン)、飾り、キャンディー、プレゼント用の小物、伝統的なクリスマスの飲み物などが売られます。合唱隊がクリスマスソングを歌い、子供たちはツリーを囲んでダンスを踊ります。園内の歴史的な建物では、昔ながらのクリスマスディナーの様子が再現されます。12月13日に行われるルシア祭は、もともとドイツから渡ってきた行事で、イタリアの聖女ルシアとスウェーデンの伝承が1700年代に融合し現在の形となったものです。

新年は、冬が次第に終わりに近づき光がもうすぐ戻ってくることを教えてくれます。多くの人が新年の誓いを立てる時期です。大晦日、ソリデン野外音楽堂ではカウントダウンのイベンドが行われ、テレビで放映されます。年明けと同時に海上に盛大に花火を打ち上げ新年を祝います。

上へ